Projectにタスクを追加すると、タスクの種類が自動的に設定されます。Projectで使用するタスクの種類には3種類あD、それぞれ、タスクに複数のリソースを割り当てたときやタスクの実績を入力したときにタスクの期間や時間をどのように再計算させるのかを決めています。プロジェクト計画を作成する前に、既定のタスクの種類を設定しましょう。
[ファイル]タプの[オプション]をクリックする。
[Projectのオプション]ダイアログ が開く。
[スケジュール]をクリックする。

[次のプロジェクトのスケジュールオプション]の[既定のタスクの種類]の▼をクリックして、適用するタスクの種類を選択する。
[OK]をクリックする。
[Projectのオプション]ダイアログが閉じる。

既定のタスクの種類を設定する
設定内容を確認する
テーブルの[タスク名]列のセルをクリックし、タスク名を入力する。
入力したタスク名をダブルクリックする。
[タスク情報]ダイアログが表示される。

[詳細]タブをクリックする。
[タスクの種類]に先ほど設定したタスクの種類が表示されていることを確認する。

[キャンセル]をクリックする。

設定内容を確認する

設定内容を確認する
Projectで設定できるタスクの種類には[単位数固定][期間固定][作業時間固定]の3種類があります。このタスクの種類による違いの前に、タスクの計算について理解しておく必要があります。[単位数][期間][作業時間]は、タスクの計算を行うための3要素です。タスクの計算を式で表すと次のようになります。

タスクの計算式
「期間=作業時間÷単位数」
「作業時間=期間×単位数」
「単位数=作業時問÷期問」
‘単位数=リソースのマンパワー
(%もしくは小数点で表される割合。実質的には1日の稼働時同)

つまり、タスクの種類とは、これらの3要素のうちどれを固定して計算を行うかを決定するためのものです。

単位数固定
単位数とは、タスクに割り当てられた担当者が、そのタスクに対して割くマンパワーのことです。リソースの負荷を一定に保ちたいタスクに使用します。[単位数固定]の場合は、期間を変更すると作業時間が再計算され、作業時間を変更すると期間が再計算されます。既定では[単位数固定]が設定されています。

期間固定
主に決められた期間が必要になるタスクに使用します。たとえば、コンクリートを打った後、乾燥させるまで一定の期間が必要、といったタスクに使用するとよいでしょう。[期間固定]の場合は、単位数を変更すると作業時間が再計算され、作業時間を変更すると単位数が再計算されます。

作業時間固定
主に作業の工数を見積もることができるタスクに使用します。たとえば、ソフトウェア開発で、ある機能のコーディングに40時間が必要、といったタスクに使用するとよいでしょう。[作業時間固定]の場合は、単位数を変更すると期間が再計算され、期間を変更すると単位数が再計算されます。

残存作業時間を優先するスケジュール方法とは
[残存作業時間を優先するスケジュール方法]は、「タスクの種類の設定に加えて、作業時間も固定する」という機能です。具体的にはリソースを追加割り当てすると、作業時間を固定して計算します。したがって、このオプションは、[作業時間固定]の場合には、必ず有効になります。[期間固定]で有効の場合、[期間]と[作業時間]の両方が固定されます。[単位数固定]で有効の場合、[単位数]と[作業時間]の両方が固定されます。
そのため、[期間固定]と[単位数固定]のタスクでは、プロジェクト計画作成時は[残存作業時間を優先するスケジュール方法]を無効にしておくことをお勧めします。プロジェクト開始後、進捗管理を行う際に必要に応じて、このオプションを有効にする方がよいでしょう。

具体的に再計算の例で確認しましょう。

リソースを追加して再計算する場合
[単位数固定]および[期間固定]に設定したタスクに、リソース「Aさん」を割り当てます。1日8時間×5日= 40時間のタスクです(リソース追加前)。同じ設定のタスクに、リソース「Bさん」を追加します(リソース追加後)。

タスクの種類

再計算の結果は次のとおりです。

[残存作業時間を優先するスケジュール方法]が無効の場合
●[単位数固定]では、Aさんの作業は1日の単位数が8時間に固定されています。Bさんが追加で割り当てられたため、その分の作業時間40時間が上積みされ、倍の80時間に増加します。
●[期間固定]では、必ず5日の期間をかけて行います。[単位数固定]の場合と同様に、Bさんが追加で割り当てされた分の作業時間40時間が上積みされ、倍の80時間に増加します。

タスクの種類

[残存作業時間を優先するスケジュール方法]が有効の鳩合
●[単位数固定]では、Aさんの作業は1日の単位数が8時間に固定されます。加えて、作業時間も固定されるため、残りの要素である期間が変更されます。Bさんと2人で作業を分け合う形になるので、期間が5日から                            半分の2.5日に短縮されます。
●[期間固定]では、必ず5日の期間をかけて行います。加えて、作業時間も固定されるため、残りの要素である単位数が変更されます。リソースが2倍になったので、タスク期間中のリソースの最大使用数が100%から半                       分の50%に軽減されます。

タスクの種類

単位数の動作が異なる
[期間固定]で[残存作業時問を優先するスケジュール方法]が有効なときの単位数の動作が、Project2010以降では変更されています。従来は、割り当て単位数そのものが100%→50%という動作でしたが、Project 2010および2013では単位数は100%のまま変更されません。割り当ての割合自体は変更されていますので、リソースグラフなどの最大使用数で確認することができます。実績作業時間を入力して再計算する場合
実績作業時間を入力した際の動作も確認しましょう。[単位数固定]および[期間固定]に設定した2タスクに、リソース「Aさん」を割り当てます。1日8時間×3日=24時間のタスクです。[タスク配分状況]ビューで、タスクの実績作業時間を1日目と2日目にそれぞれ「4時間」と入力します。
再計算の結果は次のとおりです([残存作業時間を優先するスケジュール方法]は有効/無効とも同じ動作になります)。

●[単位数固定]では、1日の単位数が8時間に固定されていますので、1日目と2日目に不足した作業時間の合計8時問は4日目にスケジューリングされ、期間が3日から4日に変更されました。

タスクの種類

●[作業時間固定]では、タスクの作業時間が24時間に固定されていますので、1日目と2日目に不足した作業時間の合計8時間は4日目にスケジューリングされ、期間が3日から4日に変更されました。

単位数の動作が異なる

●[期間固定]では、必ず3日間で終わらせなければならないため、1日目と2日目に不足した作業時間の合計8時間は、3日目にスケジューリングされ、3日目の作業時間は16時間に変更されました。

単位数の動作が異なる

単位数の動作が異なる

期間を延長して再計算する場合
[単位数固定][期間固定][作業時間固定]に設定した3タスクに、リソース「Aさん」を割り当てます。1日8時間×3日= 24時間のタスクです。それぞれのタスクの期間を3日から5日に変更します。

期間を延長して再計算する場合

再計算の結果は次のとおりです。

●[単位数固定]では、作業時間が40時間に延長されました。
●[期間固定]では、作業時間がA0時間に延長されました。
●[作業時間固定]では、タスクの作業時間が24時間に固定されていますので、リソースAさんの単位数が100%から60%に変更されました。

期間を延長して再計算する場合20160708131308